このプラグイン全盛の時代にハードウェアをありがたく使う人種がいるのをご存知ですか?
はい、私のことです。
EQにしてもコンプレッサーにしても、膨大な数のプラグインが世に出回っており、無料のものも数多く存在します。
そもそもDAWソフトにデフォルトで大体入ってますのでサードパーティ製のプラグインすら必要ないかもしれません。
サードパーティ製であっても時代の名機をエミュレートしたものがハードウエアの10分の1や100分の1の値段で買えたりします。PCの演算能力も飛躍的に上昇した令和のこの時代に、「いやそれでもハードウェアを使う」意味や価値はあるのでしょうか?
答えはもちろん「あります」!

私の所有ハードウエア。上からAMS NEVE 1073DPXプリアンプ&EQ、Rupert Neve Shelford チャンネルストリップ、Universal Audio 1176LNコンプレッサー、RME Fireface UFX IIインターフェイス
・エフェクトのかかり具合が違う
プラグインとハードウェアでは通した時の質感やエフェクトのかかり具合がまるで違います。
具体的にはプラグインが「表層的」なイメージのかかり方に対してハードウェアは「全体的」にかかります。うーんこれでも抽象的か。。。
もっと定量的な話をすると、私はオペアンプとトランスがキーワードだと思います。
ハードウェアは極端な話、エフェクトをいじらず「通すだけ」で音がまとまったような感じやガッツがある感じになります。
いわゆる「使える音」「いい音」になるわけですが、
では「いい音」って一体なんだ?

私の所有ハードウエア②。上からAPI 5500ステレオEQ、API2500+ ステレオコンプレッサー、SSL Fusion チャンネルストリップ、HAYAKUMO FORENO VUメーター
・いい音とは?
レコーディングスタジオに行くとたくさんのハードウェアがあるように、これらはいまだに現役でバリバリ使われているわけですが、ハードウェアを通すと我々が普段からメディアを通して聴く「あの音」になり、それが「いい音」と定義されるんだと思うのです。
「いい音」というものが絶対的な価値観の上に存在するわけではないです。あくまで音色の価値なんてものは主観的であり、相対的であり、あるいは時代によって流動するものです。
なので、プロで制作活動をしている人でないかぎりハードウェアを持つメリットは値段に見合うほどではないと私は思います。
・マイクプリアンプは1つ持っておくといい
ただ、生音系の音楽をやる人はマイクプリアンプだけはいいものを一つ持っておくといいと思います。歌も含めて生楽器におけるプリアンプの存在力はとても高いからです。
特別高価なものをわざわざ手にいれる必要はないので、マイクプリはインターフェイス直挿しではなく別個で用意するといいと思います。
これなんかは10万円以下で買えるオススメのプリアンプです。
https://www.soundhouse.co.jp/products/detail/item/127102
・プロなら手っ取り早くハードウェア!
逆にプロでガンガン制作活動を行なっている方は絶対にハードウェアがオススメです!
理由は「狙った音が短時間で手に入る」からです。
DAW上でプラグインをこねくり回す時間があるならハードウェアに投資しましょう!私のこれまでの経験上、ハードの方が処理が数倍も早くなります!
私はEQに関してはブースト方向、コンプはがっつり潰したいときにハードウェアを使用します。
・プラグインならではのメリットもある
多くの作家やエンジニアはハードウェアだけではなくプラグインも多用します。私ももちろんそのうちの一人です。
プラグインの恩恵を最も感じやすいのはEQと空間系です。
EQではカット方向にシビアな処理が求められる時はプラグインの本領発揮が期待できます。私はほぼ全てのトラックでハイパスとローパスのフィルターを使いますが、そんなときはプラグインが便利ですね!
空間系はプラグイン以外で処理するほうが難しいですねw
コンプの場合は頭を少し抑えたり多段掛けするときはプラグインが便利です。
大体のプラグインはDAW付属のもので事足りると思いますが私は「使いやすい」という理由ただ1点においてこちらのバンドルを使用しています。
https://www.fabfilter.com/shop?currency=eur&vat=0
・プラグインとソフトウェアインストは入れすぎに注意
セールで安いからといって、無料で紹介されたからといって闇雲にプラグインを入れまくると、あとで管理に苦労します。
よくあるのが、PC買い替えのタイミングでプラグイン移行に失敗し、過去の楽曲のプロジェクトファイルがうまいこと開けなくなるトラブルです。
↑これ何回も経験しましたw
PCは「せいぜい5〜6年」で壊れます。私の場合はPCを酷使しますので3年くらいで買い替えています。
その都度「開けなくなる」「再現できなくなる」かわいそうな楽曲が必ずといっていいほど生まれます。
普段から全部オーディオ化しておけばいい話なんですが、それでもPC買い替えによるプラグインの引越しにはさまざまなトラブルがつきものです(PC買い替えの話は後日別でトピックにします)
一度入れたプラグインは「使わなければすぐ消す」などして整理しましょう!そしていつも使うプラグインに関してはメーカーサイトやアプリにいつでもアクセスできるようにログイン方法を記録、管理するのがオススメです!