コンペとかいうク⚪︎システム

作曲家としてどうやって成功するのか?という問いに対して、未だ自分でも成功したと思っていない私ごときが真面目に答えなければならない時があります。

私も道半ばですのでいつも聞かれるたびにこの命題について答えに窮するのですが、私からでも確実に言えることは、

私の場合は友人の映像作家が無名時代からちょくちょく仕事を振ってくれて、その方が有名になっていくにつれて金魚のフンのように私にも少しずつ大きな仕事をいただけるようになったのがキッカケです。

100人いれば100通りの「成功の法則」があり、若手作家の皆さんには自分なりの道を見つけて欲しいと思うばかりですが、

そんな野放図なこの業界にも一応、「誰もが成功できる(かもしれない)」ロードマップってのがあって、

具体的には最初に作家事務所に所属し、そこで小さな仕事なんかをやっているうちにコンペ参加の打診が来るといった感じです。

「⚪︎⚪︎というアニメの主題歌コンペがあるんだが参加しないか?」

みたいな話があって、オーダーシートをよく読んでクライアントが目指す楽曲の世界観に合ったものを作り、うまく通れば(しかも納品先の歌手やコンテンツがバズれば)一気にスターダム!といった具合です。

なんだか夢があっていいじゃないか!

私も若い時分にコンペに参加し、ほとんどは箸にも棒にも引っ掛からなかったですが、一応採用いただいたことも何件かありました。

そんな私から同業同志諸君に声を大にして言いたいのは、

です。

コンペには参加しないほうがいいです。例えそれが数人単位の厳選されたコンペであっても、です。理由はいくつかあります。

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①まず採用されない

②思った感じに作らせてもらえない

③ボツったときに潰しが効かない

①まず採用されない

コンペの種類や属性にもよりますが、1つの席を奪うのに参加者が100名単位でいることなんてザラにあります。この確率は労力に見合いません。

②思った感じに作らせてもらえない

これは最終選考に残ったりしたときに私も経験しましたが、修正依頼がえぐいです。。w
「ここまできたらクライアントの意向に沿えるように頑張ろう!」ってみんな思うのですが、自分のセンスを殺さなきゃいけないことがよくあって、途中で作業自体がイヤになります(私だけ?)

③ボツったときに潰しが効かない

このコンペに通らなかったから別のコンペに流用しようみたいなことがなかなかできません。これが自分主体での発信であれば簡単に転用できますが、コンペに出した楽曲は例え採用されなかったとしても自由に使えないです。

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他にも理由はありますが、コンペ参加は

ってのが私のスタンスです。

コンペに楽曲を提出するくらいなら自分のHPやSNS等で発信したほうが何倍もマシです。

例え発信力が弱くて全然再生されなかったとしても、それは必ず「ストック」になります。

「資産」と言い換えてもいい。

資産は必ず富を与えてくれます。数年前に気分で発信した曲がある人の目に止まって「こんな感じの楽曲を作って欲しい」って直接オファーが来ることだってあるかもしれません(私は実際あった)。

「いろんなコンペに参加しまくってるけど全然結果出なくて最悪だ、もう自分には才能がないのだろうか」

コンペなんてク⚪︎みたいなシステムはフル無視して、自分のやりたい音楽をやりたいように発信しましょう!

私はそんなインディーな音楽家をとても尊敬しますし、いつも陰ながら応援しています!

作曲家山田淳平公式HP